春秋社 2000年2月15日
この洗脳原論はこの後に書かれた苫米地氏の本と比べても情報量が豊富で何度でも読めてしまいます。
洗脳や催眠などに関することが知りたい方やオウム真理教ひいてはあらゆる宗教の神秘的なメカニズムが分かります。
苫米地氏の理論の基礎の一端を知ることが出来るので、苫米地氏の本が好きという方は是非読んでみることをおススメします。
洗脳護身術―日常からの覚醒、二十一世紀のサトリ修行と自己解放
三才ブックス (2003/10/1)
これは面白くて一気に読める本です。洗脳というのは特別に危うい集団の特別な行為ではなく、人間が社会を作り、他者と精神世界を共有して生きるようになった、その基本的な身体的、心的仕組みに根差したものだという理解が前提となっています。
ただし、「脱洗脳」が課題になっているように、全ての洗脳に同等の価値を置いているわけではなく、そこに人を不幸にするものとそうでないものを区別しようと頑張られていますが、その足場は「自」による(本来の意味での自由?)というところに置かれているように読めましたが、ここはまだまだ論ずべき未整理の所と思えました。
なんにせよ、統一教会の信者の一見理解しがたい状態がどのように成立するのかについても、進化論的視点も踏まえなから、かなり合理的に納得できる手がかりがたくさん得られると思います。
大好き!今日からのわたし。〜愛される心とからだをつくる秘密の呪文集〜』
宝島社、2005年5月20日
著者の苫米地英人氏は認知科学などで有名な方で、ルータイス氏とともにTPIEやPX2といったコーチングのプログラムを開発し、苫米地氏の著書にその内容を含むものも多い。そして、独自の視点を展開して読者の考え方を変える、独特の雰囲気を持っている。
一方、この本は「愛されたい女性」に向けて、いかに「本気でイメージを持ち、本気で変わっていける」と感じてもらうかということで呪文(マントラ)を使っていて、他の苫米地氏の本の雰囲気とはかなり異なる。
他の著書では、呪文(マントラ)を否定する部分があったが、それは呪文自体に効果があるのではなく、呪文を唱えることを通じて理想の姿を本気で感じるなどの臨場感を高めたり、自身の脳機能を使うことで意味があるということだった。
そのため、実際に変わりたいと願い、行動する上では、呪文は効果が出るだろう。以上の、他の著書との雰囲気の違う点、呪文を大いに使っている点がこの本を読んで、好みかどうかを分けていると思う。